口コミや評判に左右されない人生をクリエイトする その2
三十歳になる歳の夏、わたしは公務員を辞めた。
ライターの仕事をしたくてしたくてたまらなかったからだ。
「今やっていることは、本当に自分がやりたいことなのか」
この一点に集中した。転職には、情報が必要なので、クリエイターに特化した転職エージェントに相談した。「ポートフォリオを作成してください」とのことだった。
四苦八苦しながら、自分の作品集をつくりあげた。でも20社ほど応募したが、どこも相手にしてくれなかった。理由は、「未経験であること」、「未経験をㇼカバーできる若さも脆弱であること」の二点だった。否、それらをひっくり返すほどの才能がなかったのだ。
でも絶望している暇などなかった。なんとしても食いつながなくてはいけないし、この集中力はこの夏が限界だと悟っていたから。
続く